大豆ミートの添加物とは?よく使用される添加物3選を食品研究者が徹底解説
「大豆ミートってサステナブルで健康そうに見えるけど、けっこう添加物が多い気がする」
「そもそもなんで添加物を使うのかな?」
「添加物はこわい、、、」
こんな悩みを抱えていませんか?
気持ちはよくわかります。
食品メーカーもマーケティングのひとつで、「○○無添加」やら「無添」など色々使っていますよね。
僕も食品開発をする前までは少し不安でした。
しかし、大前提として食品添加物は安全性と有効性を科学的に評価し、厚生労働大臣が認可したものだけが「食品添加物」と呼ぶことができます。
今回は、添加物についてカンタンに説明しつつ、大豆ミートによく使われる添加物とその目的を紹介します。
添加物が少ない大豆ミートも紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
そもそも添加物とは?
食品衛生法では、「『食品添加物』とは食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するもの」と定義されています。
以前は、合成添加物だけが「食品添加物」に指定されていましたが、現在は「天然」、「合成」に関わらず「食品添加物」に指定されているんです。
例えば、昔から着色目的で使われているクチナシ、しその葉などはエキスにして添加物の着色料として使用されています。
ここでは、
- 加工食品の添加物を見分ける方法
- 添加物の注意点
を具体例を用いて、サクサク解説していきますね。
加工食品の添加物を見分ける方法
加工食品の添加物は、原材料表示のスラッシュ「/」の後半部分に表示されています。
2015年に食品表示法が施行され、添加物と食品素材は明確に分けて表示するルールが決まったからです。
例えば、大塚食品が発売している大豆ミート、ゼロミートのパッケージを見てみましょう。
文字数多くて見にくいですよね、、、
原材料表示は以下のとおり。太字の部分が添加物です。
大豆加工品(脱脂大豆、玄米粉)(国内製造)、たまねぎ、植物油脂、粒状大豆たんぱく(脱脂大豆、でんぷん、植物油脂)、パン粉、砂糖、でんぷん、粉末卵白、粉末状大豆たんぱく、ブラウンルウ(小麦粉、植物油脂、ぶどう糖)、りんごペースト、食塩、トマトペースト、香味パウダー、デキストリン、調味ペースト、酵母エキス加工品、酵母エキス、ウスターソース、赤ワイン、香辛料、食物繊維、野菜ブイヨン風味パウダー、しょうゆ加工品、セロリパウダー/酢酸(Na)、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、香料、グリシン、チアミン塩酸塩、D-キシロース、酵素、ショ糖脂肪酸エステル、(一部に小麦・卵・ごま・大豆・りんごを含む)
こんな感じでスラッシュの後半に添加物が表示されているので何が入っているか確認できます。
一方、添加物は以下の条件を満たすと表示しなくても良いルールがあります。
- 栄養強化の目的で使用されるもの
- 加工助剤
- キャリーオーバー
なので、入っている添加物が全部記載されている訳ではないですが、自分で確認することができます!
添加物は絶対ダメなの?→用法用量を守れば問題なし
添加物は安全性と有効性が認められたものだけが、法律で許可されています。
しかし、安全と安心は異なり、いくら安全なデータがあっても安心できないヒトもいるのではないでしょうか?
確かにテレビなどで、不安になることもあるかと思います。
とはいえ、添加物がないと以下のようなデメリットがあります。
- 細菌やウイルスが増える
- ゼリーがシャバシャバ
- ハンバーグもパサパサ
なので、添加物は負の側面ばかりに目が行きがちですが、実は安心して食べることができるメリットもあるのです。
では、添加物を正しく理解するのに必要なポイントは「安全といえる量」です。
毒性があっても一定の許容量であれば問題がないからです。
例えば、「塩」、みなさんは塩が危なくて不安になりますか?
ほとんどが自然に使っていますが、塩も1度に200g以上とると死に至ります。
さらに、1日10g〜20gの塩をとり続けていると、心臓病のリスクも高まります。
どんな食品でも添加物でも、たくさんとれば毒ですが、量が少なければ何の悪影響もないのです。
添加物摂り過ぎはたしかにNGですよ。
大豆ミートによく使われる添加物3選
というわけで、大豆ミートによく使われる食品添加物を3つ紹介します。
- メチルセルロース
- トレハロース
- 加工デンプン
いずれも大豆ミートの食感やジューシー感を補うために使用されるケースがほとんど。
順番にサクサク解説していきますね。
メチルセルロース
こちらは、イオンで発売された大豆からつくったミンチです。
添加物表示には、pH調整剤、増粘剤(メチルセルロース)と記載されています。
- メチルセルロースってなに?
-
増粘剤のひとつ。セルロースと言われる植物の細胞壁の構成成分が少し加工された添加物です。
食品には2.0%以下しか使用してはいけないルールがあり、1960年に日本で添加物の認可がおりました。
加熱状態でもゲル化するので、加熱調理されるミンチに入れることで加熱後もしっかり肉の食感を残す目的で使用されると考えられます。
ちなみに、普通の増粘剤は加熱するとゲル化が弱くなり、水が出てベチャベチャになります
メチルセルロースは大豆ミートのような代替肉製品にかなりの頻度で使用されています。
化学メーカーで有名な「信越化学工業」が開発しており、多くの企業で使われているんですよね。
引用元:信越化学工業社「メトローズ」のメリット
特にミンチ肉には効果が大きく、食材を決着させ、肉のような弾力をを出すことができます。
トレハロース
トレハロースは古くから食品の熱や酸に対する安定性、保湿性、たんぱく質の変性抑制などに使用されてきました。
自然界にはきのこ類に含まれていて、抽出が難しくコストがかかっていましたが、「林原」という会社がデンプンから生成できる微生物を発見し、使用が広がりました。
トレハロースは由来原料がデンプンなので、1日あたりの許容摂取量(ADI)も特定されていない食品添加物になっています。
加工デンプン
最後は、「加工デンプン」です。
加工デンプンとはデンプンに酢酸などを反応させるタイプと化学物質を反応させるタイプの2種あります。
一般には以下の12種が日本で使用され、以下のとおり。
- アセチル化アジピン酸架橋デンプン
- アセチル化リン酸架橋デンプン
- アセチル化酸化デンプン
- オクテニルコハク酸デンプンナトリウム
- 酢酸デンプン
- 酸化デンプン
- ヒドロキシプロピルデンプン
- ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン
- リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン
- リン酸化デンプン
- リン酸架橋デンプン
- デンプングリコール酸ナトリウム
え?全然分からない?ってなりますよね。
とりあえず、具体的な名前は忘れてOKです。笑
主にその機能は、トレハロースに似て、保湿性、離水防止などがあります。
トレハロースより低コストなのでミートボールやハンバーグ系の食品に使用されるのが特徴です。
問題の安全性ですが、厚生労働省の添加物評価書によるといずれも、1日の摂取許容量を特定しなくても問題ないという結論になっています。
とはいえ、世間では「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン」、「リン酸架橋デンプン」の2品目はヨーロッパでは幼児食品に使用禁止になっていることもあり、評価が分かれるところです。
確かに、幼児は様々な影響を受けやすいので小さなお子様をお持ちの方にはオススメできません。
判断が別れますが、成人は特に意識する必要はないが、幼児に食べさせる場合はなるべく控えた方がいいですね。
添加物の少ない大豆ミート3選
というわけで、最後は気になる添加物の少ない大豆ミート3選です。
やはりお子様がいる方も想定し、なるべく大豆ミートを安心して食べていただきたいこともあり、添加物が少ない大豆ミートを厳選しました。
- 無印の大豆ミートフィレタイプ
- マルコメの大豆ミートブロックタイプ
- オーサワの大豆ミート(ひき肉風)
順番にさらっと紹介していきますね。
無印の大豆ミートフィレタイプ
まずはみんな大好き「MUJI」です!
原材料表示は以下のとおり。
大豆たんぱく(国内製造)、醤油、酵母エキス(一部に小麦・大豆を含む)
酵母エキスはちゃんと食品素材ですよ。
無印の大豆ミートはクオリティが高く、そのまま使えるので初心者の人も安心して使えます!
牛肉のような食感で、リアル肉に近い美味しさで驚きました。
マルコメの大豆ミートブロックタイプ
次はスーパーでもほぼ100%買える、マルコメの大豆ミートです。
原材料表示は以下のとおり。
脱脂大豆(遺伝子組み換えでない)、醤油、(一部に小麦・大豆を含む)
マルコメは元祖「大豆ミートメーカー」。味噌が有名ですが、大豆に関してはかなりノウハウを持っています。
大豆ミートの種類もかなり豊富なので、Amazonや楽天などでも購入できるので超ベンリです!
オーサワの大豆ミート(ひき肉風)
最後は大豆ミートの老舗、「オーサワ」です。
なんと、原材料は「大豆」のみ。
もう何も言うことはないですね。笑
国産大豆100%使用で、ヴィーガンも安心して使うことができます。
まとめ:大豆ミートは添加物が少ないものあり安心して食べられる
大豆ミートは加工度が高いと確かに、添加物が多いものがあります。
しかし、添加物が少ないものも種類が増え、レトルトですぐに使えるものも登場しました!
調理が苦手なひとも安心して試すことができます。
ぜひ安心して楽しんでくださいね。
もちろん、大豆ミートはデメリット・メリットもありますが、気になるひとは以下記事をどうぞ。
というわけで、以上です!